軽減税率の必要財源1兆円はどこから

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税金

2019年10月に消費税が10%へ増税されますが、それと同時に軽減税率も導入されます。
この軽減税率には1兆円もの財源が必要なのですが、財政赤字の日本でどのようにして捻出するのでしょうか。 軽減税率の基本から、わかりやすく解説します。

1.軽減税率制度とは

消費税率10%導入に合わせて、低所得者に配慮するという観点から、飲食料品(外食は除く)と新聞に限っては、10%ではなく8%の消費税率が適用される制度をいいます。

【参考外部サイト】何が対象なの?|特集-消費税の軽減税率制度|政府広報オンライン

2.財源1兆円の内訳

国は軽減税率導入のための財源を、どのように確保するのでしょうか。
現在明らかになっている1兆円の内訳を解説します。

1-1.総合合算制度の見送り:約4,000億円

総合課税制度とは、低所得者の家計に過重な負担をかけないという観点から、医療・介護・保育・障害を総合的に捉えて、自己負担の合計額に上限を設定するなどの低所得者対策のことをいいます。

この制度の導入には、財源として4,000億円程度が見込まれていましたが、これを軽減税率の代替財源とすることになり、総合合算制度は見送られることになりました。

1-2.2018年度税制改正による増税:約3,400億円

2017年12月22日に閣議決定された2018年度税制改正では、例年以上に個人向けの増税項目が多く、軽減税率の財源は大きく確保されました。

1-2-1.たばこ税増税(約2,500億円)

たばこ税の増税は、2020年東京オリンピック向けて受動喫煙防止のため、喫煙による医療費増大を回避することなども目的とされていますが、1番の目的は軽減税率の財源確保です。

たばこ1本あたり3円を3年程度かけて増税され、2,500億円もの税収増が見込まれています。
具体的には2018年10月に1円、消費税が10%に増税される年である2019年の増税はせず、2020年と2021年に1円ずつ増税されます。

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1-2-2.所得税増税(約900億円)

2018年度税制改正においては大きな所得税改革が行われ、基礎控除、給与所得控除、公的年金等控除の見直しが行われました。
全ての所得者に一律で適用される基礎控除の控除額を10万円引き上げるかわりに、給与所得控除と公的年金等控除の控除額を一律10万円引き下げます

この改正は高所得者層の会社員や年金受給者は増税となりますが、平均的な会社員や、高所得者層であっても子育て世帯は増税されないようになっており、大きな批判を招くことなく900億円の税収増が見込まれています。

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1-3.検討中(約2,600億円)

安倍政権は、2018年度末までに安定的な恒久財源を確保するとしており、2018年12月の2019年度税制改正ではっきりすると思われます。

3.金融所得課税増税への動き

2019年度税制改正における増税項目について、財務省官僚の間で既に話に出ているのが、株式の配当や売買へかかる税金である金融所得課税の増税です。
現在の税率は一律20%となっていますが、これを5%上げて25%とする主張も出ています。

金融所得課税による課税を受ける人は高所得者層に多く、また税率が一律であるため多くの利益を出した人ほど負担率が低下するため、世論の反発を受けにくい増税項目であり、軽減税率の貴重な財源として見据えられています。

まとめ

2019年10月に導入される軽減税率ですが、4分の1もの財源について今だ確保のめどが立っていない状況です。

2019年度税制改正として早くもささやかれている、金融所得課税の増税は大きな税収を生みますが、投資家のモチベーションを下げるような増税が、安倍政権ですんなり認められるのは難しいでしょう。

消費税導入直前である、2019年度税制改正がどうなるか注目です。

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