軽減税率対策補助金の最新情報まとめ

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レジ

消費税増税による消費者の負担を軽くするために導入される軽減税率ですが、事業者にとってはレジシステムの変更など一大事です。

そこで、この事業者の負担を金銭面から補助するために、「軽減税率対策補助金」という制度があります。
積極的に活用したいものですが、タイプが複数に分かれており、申請内容も複雑です。

2019年2月に、当初の内容にさらに大幅な追加もされています。

主に、POSレジを導入する場合を前提にしながら、軽減税率対策補助金の最新内容を解説します。(2019年4月末時点の最新情報になります。)

なお、本記事のすべての内容は、下記の「軽減税率対策補助金」サイトから引用しています。

【引用元サイト】軽減税率対策補助金

1.POSレジとは?

POSレジ」という言葉は聞いたことがあるけれど、どういうものかは知らない。POSレジという言葉自体聞いたことがない。という方のために、まずPOSレジについて簡単に解説します。

すでにご存じの方は、この章は読み飛ばして、「2.軽減税率対策補助金の概要と3つのタイプ」からご覧ください。

(1)POSレジとは

購入者とレジでお金のやり取りをした時点で、販売情報を管理できるシステムが付いているレジのことをいいます。

POSとはPoint Of Salesの頭文字からきています。 POSレジを使うとリアルタイムでデータの集計と分析が行われるため、売上の分析や在庫管理などを容易に行うことができ、業務の効率化に繋がります。

(2)レジスターとの違い

見た目はそんなに変わらないPOSレジとレジスターですが、その中身の機能には大きな違いがあります。

レジスターは購入者とお金のやり取りをする際に、購入品の登録、購入金額の合計やお釣りの計算をすることが目的の機器です。

これに対してPOSレジはレジスターの機能に加えて、オンラインでリアルタイムの販売情報を管理することができます。
レジスターはその機械本体に販売情報が保存され、POSレジはクラウド上に保存されるというイメージを持つと理解しやすいでしょう。

よって、レジスターは情報の集計を行う必要がありますが、POSレジは常に最新の集計情報を容易に得ることができるのです。

(3)モバイル型がある

近年、おしゃれな美容室やカフェなどで、タブレットやスマートフォンのレジを見たことはないでしょうか。

モバイル型にすることでレジにスペースを割かれることなく、スタイリッシュなレジカウンターにすることができます。

また何よりコスト面に大きな差があり、POSシステム搭載のレジスター本体は100万円以上と高額ですが、モバイル型であれば10万円以下で導入することができます。

なお、軽減税率対策補助金は、POS機能がない通常のレジも対象です。

2.軽減税率対策補助金の概要と3つのタイプ

軽減税率対策補助金の対象となる事業者や、補助金の3つのタイプなどについて解説します。

2-1.対象となる業種と事業者

この補助金を受けることができるのは一定の条件を満たした中小企業・小規模事業者等です。

まずは、資本金と従業員数が以下の水準を下回る必要があります。

業種条件
製造業・建設業・運輸業・その他の業種3億円以下、300人以下
卸売業1億円以下、100人以下
小売業5千万円以下、50人以下
サービス業5千万円以下、100人以下
ゴム製品製造業
(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業
並びに工業用ベルト製造業を除く)
3億円以下、900人以下
ソフトウェア業または情報処理サービス業3億円以下、300人以下
旅館業5千万円以下、200人以下

企業だけでなく、中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される次の団体も対象になります。

  • 事業協同組合、事業協同小組合、協同組合連合会、企業組合、協業組合、商工組合、商工組合連合会

資本金や従業員数以外にも条件があります。

2-2.対象者(申請者)になるためのその他の条件

軽減税率対策補助金の対象者になるには、資本金や従業員数以外にも次のような条件があります。

  • 複数税率対応レジの導入または改修をする必要がある
  • レジを使用して飲食料品(酒類は除く)を販売していて、今後も続ける
  • 外食の事業者はテイクアウト・宅配・飲食料品(酒類は除く)の物販を継続的に行っていること
  • 予備やイベント用など、一時的に使うレジではない

要するに、軽減税率8%と、標準税率10%の区別が日常的に必要になるのであれば、対象となります。

2-3.申請方法

軽減税率対策補助金の申請方法は原則、レジを購入し、申請書を作成し、郵送で提出するだけですが、必要書類は多岐にわたり「かなり複雑」です。

また、どのPOSレジを購入しても対象となるわけではなく、軽減税率対策補助金事務局が指定する製品を購入する必要があります。

必要書類やレジについては後段で詳しく解説します。

さらに申請方法の例外として、事前申請や事後申請、直接申請/代理申請/共同申請などがありこちらも後述します。

2-4.対象期間と申請受付期限

軽減税率対策補助金の対象期間と申請受付期限は次のとおりです。
軽減税率対策補助金には次の3つがあります。

内容取引対象
A型複数税率対応レジ等の導入等支援対消費者
B型電子的受発注システム等の改修等支援対事業者
C型請求書管理システムの改修等支援

それぞれの型は、さらにタイプが細分化されています。POSレジはA型になります。

  • 対象期間
    2016年3月29日から2019年9月30日までの間に導入が完了
  • 申請受付期限(当日の消印まで有効)
    A型、B-2型、C型:2019年12月16日まで
    B-1型:2019年9月30日までに事業を完了することを前提に、2019年6月28日までに交付申請を行ってください。完了報告書は2019年12月16日までに提出してください。

2-5.3つのタイプ:A型、B型、C型の違い

A型、B型、C型の3タイプの補助金の対象事業者や補助金の額などを紹介します。

消費者が対象の店舗での、通常のレジ導入はA型になります。

A型「複数税率対応レジ等の導入等支援」(消費者対象)
補助対象事業者複数税率対応レジを導入する中小の小売事業者等
補助対象経費①レジ等の本体(タブレット等を含む)、
対応するソフトウェア導入に係る経費
②券売機
③レジ付属機器(バーコードリーダー、レシートプリンタ等)
④設置に要する経費(商品マスタ設定費、運搬費、設置費等)
補助率3/4以内
3万円未満のレジを1台のみ購入する場合は4/5以内
補助限度額・レジ1台あたり20万円以内が上限
・商品マスタの設定、機器設置に要する経費は1台あたり20万円を加算
・1事業者あたりの上限は200万円
B型「電子的受発注システム等の改修等支援」(事業者対象)
補助対象事業者電子的に受発注を行うシステムの改修等を行う必要がある
中小の小売事業者、卸売事業者等
補助対象経費①電子的な受発注システム等の改修等に要する経費
②パッケージ製品サービスの導入に要する経費等
補助率3/4以内
(他の機能と一体的なパッケージ製品の場合は、初期費用の1/2以内)
補助限度額・発注システム:1,000万円
・受注システム:150万円
(受注システム発注システム両方の場合は1,000万円)
C型「請求書管理システムの改修等支援」(事業者対象)
補助対象事業者「請求書管理システムの改修等支援」に対応するために、
事業者間取引における請求書等の作成に係るシステムの
開発改修やパッケージ製品等の導入が必要な中小事業者等
補助対象経費①区分記載請求書等保存方式に対応する請求書等の
作成発行を行うシステム等の開発改修等に要する経費
②パッケージ製品の導入に要する経費
③対応する事務処理機器の導入経費
補助率3/4以内
(他の機能と一体的なパッケージ製品の場合は、初期費用の1/2以内)
補助限度額1事業者あたり150万円以内

3.A型:複数税率対応のレジ導入支援

A型は、すべて消費者が取引対象となる店舗でのレジ機器の導入についてです。

POSレジはA型「複数税率対応レジ等の導入等支援」に該当します。

3-1.レジ・導入型の6タイプの比較

このA型には1~6型の6イプがありますので、共通内容と違いに分けて詳しくみていきましょう。

3-1-1.A型の共通内容

A-1~6型は、事業者がレジシステムをどのように変更するかによって変わります。

そのうち、A-1~6型すべてに共通するのは、対象機器に以下の7つの事項を記載した請求書等を発行できる機能が搭載されていることです。

  • ① 請求書発行者の氏名または名称
  • ② 取引年月日
  • ③ 取引の内容
  • ④ 対価の額
  • ⑤ 請求書受領者の氏名又は名称
  • ⑥ 軽減税率の対象製品である旨の表記
  • ⑦ 税率ごとに合計した対価の額

レジの機能については、A-5型以外、下記の機能が対象です。

  • 税率ごとに日次ベース等で「消費税8%の売上額の合計」と「消費税10%の売上額の合計」を計算し表記する機能

ただ、機能については型ごとにこれ以外にも規定があります。
それではA-1~6型の違う部分をみていきましょう。

3-1-2.A-1~6型の違い

A-1~6型の違いは、対象となる機器や、新規で導入するのか/既存機器を改修するのか違いです。

タイプ内容詳細
A-1型レジ・導入型複数税率対応の機能を有するPOS機能のないレジを導入するとき
A-2型レジ・改修型複数税率非対応レジを対応レジに改修するとき
A-3型モバイルPOSレジシステム複数税率に対応した継続的なレジ機能サービスを
タブレット、PC、スマートフォンを用いて利用し、
レシートプリンタを含む付属機器を組み合わせて新たに導入するとき。
(ただし対象機器は、
軽減税率対策補助金事務局に登録されているものに限る)
A-4型POSレジシステムPOSレジシステムを複数税率に対応するように改修または導入するとき
(補助金の申請は、代理申請または共同申請が必須)(※)
A-5型券売機券売機を区分記載請求書等保存方式に対応するように改修または導入するとき
A-6型商品マスタの設定消費税軽減税率制度の実施前に、複数税率対応レジ等の商品マスタ設定をするとき

※代理申請とは、代理申請協力店が申請する方法。共同申請とは、複数税率対応レジや券売機の導入、受発注システムの改修等を行う際、ファイナンスリース契約を利用する場合に、事業者(申請者)と指定リース事業者が共同で補助金の申請を行うこと。

「A-1型 レジ・導入型」「A-3型 モバイルPOSレジシステム」あたりが、多くの店舗でのメインとなると考えられます。

「A-4型 POSレジシステム」については、既存POSレジシステムの改修ですが、店舗自身では申請できず、代理申請または共同申請が必要です。

次に、それぞれのタイプ毎に補助率と上限額を記載します。

タイプ補助率上限額
A-1型
レジ・導入型
・レジ本体機器
―3万円未満:4/5
―3万円以上:3/5 

・設置経費
3/4

・レジ本体機器
1台あたり20万円 

・設置経費
レジ台数×20万円

A-2型
レジ・改修型
3/41台あたり20万円
A-3型
モバイルPOS
レジシステム
・タブレット等:1/2
・付属機器、導入費、設置経費:3/4
1システムあたり
20万円
A-4型
POSレジシステム
3/41台あたり20万円
A-5型
券売機
3/41台あたり20万円
A-6型
商品マスタの設定
3/41台あたり20万円

3-2.対象機器

複数税率対応レジの導入等支援の補助金の対象機器はレジ、POSレジ、パソコン、タブレット、レシートプリンタ、システムなどです。

なお、対象機器の個別製品については軽減税率対策補助金事務局のホームページ(以下のURL)に掲載してあります。

A-1型 レジ・導入型
http://kzt-hojo.jp/search/product_no/a1/index.html?p=1#result
A-3型 モバイルPOSレジシステム
http://kzt-hojo.jp/search/product_no/a3/index.html?p=1#result

3-3.対象経費

A-1型とA-3型における対象経費を紹介します。

<A-1型の対象経費>
  • レジ本体機器
  • レジ付属機器等
  • レジ専用ソフトウェア、サーバ、ルータ
  • 設置経費、商品マスタ設定費、レジ運搬費など
<A-3型の対象経費>
  • タブレット等
  • レシートプリンタ
  • その他付属機器
  • 設置経費、商品マスタ設定費、レジ運搬費など

3-4.必要書類

軽減税率対策補助金の申請に必要な書類のうち、A-1型とA-3型の「必ず提出が必要な書類」は以下のとおりです。

  • 交付申請書(事務局指定)
    (軽減税率対策補助金(A-1型 レジ・導入型)交付申請書または軽減税率対策補助金(A-3型モバイルPOSレジシステム)交付申請書)
  • 対象製品証明書(レジ・導入型)、または対象パッケージ証明書(指定サービスベンダー発行の証明書)
  • レジ購入時の領収書等の費用明細、または対象サービス・対象パッケージ・タブレット等・レシートプリンタ・付属機器購入時の領収書等の費用明細
  • 飲食料品等を記載した仕入請求書(または仕入納品書)
  • 振込口座が確認できる通帳等

その他の事業者の性質ごとに必要になる書類は下記のURLを参照してください。

A-1型 レジ・導入型
http://kzt-hojo.jp/doc/a1_one_application_form.pdf
A-3型 モバイルPOSレジシステム
http://kzt-hojo.jp/doc/a3_one_application_form.pdf

4.B型:電子的受発注システムの改修支援

B型「電子的受発注システムの改修等支援」については、事業者が取引対象となる場合ですので、概要のみを紹介します。

B型の対象になるのは、取引先間でEDI/EOS等の電子的な受発注システムを利用している事業者が、電子的受発注に必須となる商品マスタや、発注・購買管理、受注管理機能のうち複数税率対応に伴い必要となる改修・入替を行ったときです。

補助率は3/4で、小売事業者の上限は1,000万円、卸売事業者の上限は150万円です。

B-1, B-2型の違い
  • B-1型:指定事業者に改修等を依頼する場合
  • B-2型:事業者自身が行う場合

5.C型:請求書管理システムの改修等支援

C型「請求書管理システムの改修等支援」についても、事業者が取引対象となる場合ですので、概要のみ紹介します。
「請求書管理システム」とは、「区分記載請求等保存方式」に対応する請求書を発行できるシステムのことを指します。

C型の対象になるのは、システムベンダー等に発注して、請求書管理システムを改修・導入をした場合や、中小企業・小規模事業者等が自らパッケージ製品およびサービスを購入し導入して請求書管理システムを改修・入替した場合です。

補助率は、改修作業費、付帯費用が3/4、ソフトウェアが3/4、ハードウェアが1/2で、上限は1台20万円または1事業者あたり150万円です。

C-1, C-2, C-3型の違い
  • C-1型:システムベンダー等に発注して、請求書管理システムを改修・導入する場合
  • C-2型:中小企業・小規模事業者等が自らパッケージ製品およびサービスを購入し導入して請求書管理システムを改修・入替する場合
  • C-3型:ハードウェアと一体化した請求書管理システム・事務機器を改修・導入する場合

6.キャッシュレス決済端末の支援金との選択

軽減税率対策補助金と似た制度に、キャッシュレス決済端末の支援金という制度があります。これはキャッシュレス決済端末を導入した事業者に支援金を給付します。

対象事業者は、軽減税率対策補助金かキャッシュレス決済端末の支援金かどちらかを選択することになります。

キャッシュレス決済端末の支援金を使うと、事業は実質的に自己負担なしでキャッシュレス決済端末を導入することができます。それは、キャッシュレス決済端末の導入費用を、国が2/3を負担し、残りの1/3をキャッシュレス決済端末企業が負担するからです。

まとめ

軽減税率対策補助金の申請期限は2019年12月16日となっています。 まだまだ先のことだとのんびり構えていると、大きな補助金を逃すことになりかねません。

2019年2月にタイプも追加され、申請方法もかなり複雑になっています。
書類の記載漏れも多数あるようですので、申請は余裕をもって行いましょう。

また自分で申請書を作成することが難しい場合には、行政書士、中小企業診断士、税理士などに作成を依頼することも可能です。

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