消費税増税に伴うポイント還元は本当に意味があるのか?

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ポイント

政府は、消費税率10%への増税にかかる景気対策として、中小店舗でキャッシュレス決済を利用した消費者に対して、購入額の2%程度のポイントを還元する仕組みの導入を検討しています。

このポイント還元制度の導入には、数千億円程度の予算が必要となる見通しで、国民の税金がつぎ込まれます。「本当に意味があるのか?」と疑問がわくのが正直なところです。
今回は、このポイント還元制度について徹底解説していきます。

1.ポイント還元制度とは

1-1.概要

ポイント還元制度とは、消費税が8%から10%に増税される2019年10月1日から1年程度導入される予定の制度で、中小店舗(資本金1億円以下の企業や小売店)でクレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済を利用した消費者には、購入額の2%程度のポイントが付与されます。このポイント部分は国が負担します。

せっかく2%増税したにもかかわらず、2%分のポイントを還元するのであれば、増税した意味がないように思われるかもしれません。

2014年4月に消費税5%から8%への増税が行われた際には、その前後に消費の大幅な駆け込みと反動が生じ、その後2015年から2016年にかけて低迷しました。これと同様のことが2019年の10%への増税でも起こることが懸念されているのです。

ポイント還元制度が導入されれば、増税分である2%の負担を軽減することができ、増税による消費者の買い控えを防止することができるのではないかと考えられます。

また、ポイントの対象を中小店舗に限定されること、制度には期限が設けられることから、2%の増税効果を打ち消すほどではありません。とにかく増税前後の消費の低迷を防止することが先決なのです。

1-2.キャッシュレス決済とは

キャッシュレス決済とは、財布から現金を出さずに商品やサービスを購入できる支払い手段のことで、次のようなものがあげられます。

プリペイド
(前払い)
リアルタイムペイ(即時払い)ポストペイ
(後払い)
主なサービス例電子マネー
(交通系, 流通系)
デビットカード
(銀行系, 国際ブランド系)
モバイルウォレット
(QRコード, NFC等)
クレジットカード
(磁気カード, ICカード)
特徴利用金額を事前に
チャージ
リアルタイム取引リアルタイム取引後払い、与信機能
加盟店への
支払いサイクル
月2回など月2回など即日、翌日、
月2回など様々
月2回など
主な支払い方法タッチ式(非接触)スライド式(磁気)
読み込み式(IC)
カメラ/スキャナ読込
(QRコード, バーコード)
タッチ式(非接触)
スライド式(磁気)
読み込み式(IC)
【参考】
2016年の民間
最終消費支出に
占める比率
(日本国内)
1.7%0.3%18.0%

【出典】キャッシュレス・ビジョン|経済産業省(P4図表1キャッシュレス支払手段の例)

2.メリット

ポイント還元制度にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

2-1.増税時の消費低迷を回避できる

上記で解説した通り、景気対策になります。
消費税が10%へ増税されると、今まで1,080円だった商品が1,100円になりますが、そこに2%分のポイント20円が還元されるのであれば、実質的な負担は1080円であり増税前と同じです。

消費税が増税されたから今までより支払いが多くなる。だから消費を控える。という消費者の行動を防ぐことができ、増税前の消費を維持することができます。

2-2.キャッシュレス促進

世界の中で日本のキャッシュレス化は遅れをとっており、2015年での主要各国のキャッシュレス決済比率を比較すると、キャッシュレスが進んでいる国の多くは50%前後となっており、お隣の韓国にいたっては89.1%もあります。その中で日本は18.4%にとどまっているのです。

政府はこれを2027年までに40%程度まで倍増させることを目指すとしています。
ポイント還元制度の導入は、景気対策であるというのが表側の理由で、裏側には日本のキャッシュレス化を進めたいという思惑があるようです。

経済産業省 キャッシュレス

【出典】キャッシュレス・ビジョン|経済産業省(P10図表4各国のキャッシュレス決済比率の状況(2015年))

キャッシュレス決済によるメリットは、次のようなことがあげられます。

  • 脱税防止
    決済額が記録に残るので、売上をごまかすことが難しくなります。
  • 外国人観光客への対応
    キャッシュレス決済に慣れている外国人が、日本での支払いに戸惑わなくて済みます。慣れない日本円のお札や小銭を選ぶ必要がありません。 また、気楽に決済できることで日本での消費を促すことにもつながります。

3.デメリット

ポイント還元制度はニュースなどを見る限り、デメリットの方が多いように感じます。具体的にあげていきましょう。

3-1.制度導入に数千億円

ポイント還元制度を導入するためには、まず中小企業に対して決済端末を配布しなければなりません。
飲食料品の小売店舗は全国に約40万店舗あるといわれており、決済端末導入の補助金を1店舗につき5万円出したとすると、それだけで2,000億円です。

導入後に付与されるポイントは利用するカード会社を通じて還元されますが、カード会社が負担する分は国が補助することになります。それを運営していく施設も必要になり、人件費などの運営費は莫大な金額になり、導入前後にかかるこれらすべての関連費用は数千億円規模になるとみられます。

ただでさえ大きな予算が必要となる軽減税率制度導入があるにもかかわらず、国は更に1年間限定のポイント還元制度導入のためにお金を使おうとしています。

3-2.キャッシュレス決済ができない店・消費者は損

キャッシュレス決済で2%のポイントが貰えるのであれば、キャッシュレス決済に対応していない店からは顧客が離れていくことが懸念されます。
また、高齢者などのキャッシュレスに馴染みのない人や、ブラックリストに登録されている人など、キャッシュレス決済手段を使えない人はをすることになってしまいます。

3-3.対応する店側の負担

軽減税率導入に対応するために、複数税率対応のPOSレジを購入しなければならない店は、さらにキャッシュレス決済端末も購入しなければならないという金銭的負担が生じます。

軽減税率対策補助金の利用や、ポイント還元制度についても何らかの補助金ができる可能性は高いですが、機器の導入や補助金申請に係る手間など店側の負担は大きく、対応したからといって得はありません。

3-4.クレカ決済手数料が高い

クレジットカードによる決済には、カード会社に対して決済手数料が必要であることを知っていますか? これはクレジットカードを利用された店側が負担している費用であり、カード決済を導入している企業における手数料率の平均値は3.09%となっています。

例えば10,000円を売り上げた際に、消費者にクレジットカード決済を利用された場合には、カード会社からは309円(10,000円×3.09%)を差し引かれた9,691円が入金されます。

1件2件なら大した費用ではありませんが、重なっていくと大きな負担になることが分かります。ましてやポイント還元制度が導入された後は、ほとんどの消費者がキャッシュレス決済を利用するので、決済手数料は大きなハードルです。

4.おすすめのキャッシュレス決済手段

キャッシュレス決済を調べても、今時カタカナやアルファベットの横文字が並んでいてイマイチ理解できない。何を導入したら良いか分からない。という人のために、おすすめのキャッシュレス決済をご紹介します。

4-1.店側

お店側は複数税率に対応するPOSレジの導入が必要なうえ、さらにキャッシュレス決済にも対応しなければなりません。

次のようなスマホ決済は近年急激に伸びてきており、初期費用や月額費用が無料となっている会社も多く、負担が軽くておすすめです。
タブレットやスマホに小さな機器を付けるだけでPOS端末が出来上がりますので、美容室やカフェなどおしゃれな店舗にもスマートに置くことができます。

4-1-1.Square(スクエア)

Squareの最大の強みは、翌日入金が可能な点で、資金繰りに余裕のない小規模事業者に向いています。また振込手数料が無料な点も嬉しいです。
主要6ブランド(VISA、MasterCard、JCB、アメックス、DISCOVER、ダイナーズ)のカード決済にも対応しており、ポイント還元制度にも十分対応可能ですが、電子マネーには対応していない点には注意です。

【参考サイト】Squareリーダーでクレジットカード決済 | Square (スクエア)

4-1-2.Coiney(コイニー)

国産であるCoineyの強みは、日本独自の慣習に対応している点です。市場に合わせた充実したサービスを受けることができます。
2018年に国内電子マネー対応予定となっており、ポイント還元制度にも間に合います。

【参考サイト】Coiney(コイニー)- お店の決済をかんたんに。 | Coiney

4-1-3.AirPAY(エアペイ)

AirPAYは広範囲の電子マネーに対応しています。ただし、IOSのみの対応でandroidには非対応である点に注意です。

【参考サイト】Airペイ(エアペイ)|カードも電子マネーもQRも使えるお店の決済サービス

4-1-4.楽天PAY

楽天PAYの最大の強みは、様々な決済方法に対応している点です。 クレジットカード、電子マネー決済はもちろんのこと、QRコード、ID、Apple PayやGoogle Payなどに対応しています。楽天銀行の口座を利用する場合には、翌日入金が可能で振込手数料もかかりません。
ただし、中国人向け決済には対応していない点に注意です。

【参考サイト】楽天ペイ: 街もネットも簡単お支払い!ポイントも貯まる!

4-2.消費者側

ポイント還元制度導入までに消費者がやるべきことは、キャッシュレス決済手段を準備することだけです。今のうちにどのような決済方法を取るか検討しておきましょう。

4-2-1.プリペイドカード

キャッシュレス決済手段として代表的なものはクレジットカードですが、学生、専業主婦、高齢者など審査が通りにくい人やブラックリストに載っていて作れない人はどうしたらいいのでしょうか。その場合は、プリペイドカードを使いましょう。

プリペイドカードは、現金や貯まったポイントをそのままチャージして使うカードなので、審査が不要です。
プリペイドカードにも様々な種類がありますが、おすすめは「POINT WALLET VISA PREPAID」です。 常に0.5%のポイント還元があるので、今回のポイント還元制度の2%にも0.5%の上乗せがあり、合計2.5%分のポイントが付与されます。

【参考サイト】POINT WALLET VISA PREPAID | 株式会社セレス – インターネットマーケティングを通じて豊かな世界を実現する

4-2-2.楽天カード

クレジットカードの中では審査が緩く、学生や主婦でも発行されやすいのが楽天カードです。審査はありますので、ブラックリストの人は難しいでしょう。
年会費が永年無料なので、審査さえ通れば持っていて損はないカードです。

【参考サイト】楽天カード:お得なクレジットカード ポイントがザクザク!年会費無料

まとめ

消費税10%増税に伴うポイント還元制度の導入は、まだ決定はされておらず、検討中の段階です。 今急いでクレジットカードを作ったりする必要はありませんので、もう少し様子を見ていきましょう。

仮に導入された場合には、ただでさえややこしい軽減税率があるにもかかわらず、中小の小売店だけ負担が二重になり不公平にも感じます。 ポイント還元制度の今後の動向が注目されます。

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