軽減税率の導入でこんな混乱が起きるかも!

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混乱 困る

私たち消費者にとって、軽減税率の導入は生活にどのような影響を与えるのでしょうか?

最も考えられるのは、一人暮らしのサラリーマンなど、外食中心の生活を送っている人への影響でしょう。

軽減税率を導入することで起きそうな混乱について、いくつかあげてみます。

1.外食は軽減税率NG

軽減税率が適用されるのは、「食料品」と「新聞」の2つです。

飲食物と新聞に軽減税率が導入されているのは「日常生活に欠かせない品目」であるからです。
(本当にそうであるかは別として、政府はそう結論づけています。)

しかし外食は「日常生活に欠かせない品目」とはみなされず、軽減税率の対象外となりました。

チェーン展開されている牛丼屋やラーメン屋など、安価な外食中心の食生活を送るサラリーマンは多いと思います。いきなり自炊生活に切り替えるのも大変ですし、そういう方にとって生活への影響は大きいと言えるでしょう。

逆に、飲食店の経営者は軽減税率が適用されるテイクアウトやお弁当の販売に力を入れるなど、外食産業の在り方にも変化が見られる可能性も考えられます。

2.持ち帰りと言って、店内で食べたらどうなる?

マクドナルドやケッターキーなどのファーストフード店や、コンビニでは、同じ商品を持ち帰ることも、店内で飲食することも、どちらも可能ですね。

この場合、軽減税率はどうなるのでしょうか?

実は、購入する人の意思表示で決まります。

購入する際に、「店内で食べます」と言えば10%、「持ち帰ります」と言えば軽減税率が適用されて8%になるのです。

ならば、店内で食べるつもりでも「持ち帰ります」と言えば8%ですむ、と思うでしょう。
いったい、どうなるのでしょうか?

ここは、明確な基準が定まっていません。原則的には、購入する際の消費者の意思表示で税率が決まりますので、その後で、意思が変わったとしても、追加で税金を徴収すべきとはなっていません。

ただ、レジで「持ち帰ります」と言って店内で食べる人があまりにも多く、それを店側が黙認していたら、税務署から店側に対して指導が入るか、または、差額の2%分を追徴課税されるかもしれません。

ですので、店側は防衛策として、「持ち帰りで購入された方は、店内での飲食はご遠慮ください」というような貼り紙を貼って、客に注意を促すことになるでしょう。

それでも、客が強引に飲食しようとしたら、どうするのか?
そこは、店側の判断に委ねられることになります。
相手は客ですので、強引に追い出すこともできず、丁寧に説明するしかないかもしれません。

いずれにしても、店員さんの負担を増やすことには間違いありません。

3.軽減税率導入のデメリットと混乱

他、軽減税率制度について、デメリットや起きそうな混乱もいくつか指摘されています。

3-1.消費者と企業の関連

軽減税率の対象品目の議論が絶えない

軽減税率の対象となる品目は「食料品」「新聞」とすでに決まっていますが、導入後も「この品目も軽減税率の対象に含めるべきだ」といった議論は絶えないことでしょう。

例えば外食は「贅沢」だとして軽減税率の対象外なのに、ピザの出前が「日常生活に欠かせないもの」として軽減税率の対象となっていることに違和感を覚える方もいることでしょう。新聞と水道代、どちらが日常生活に欠かせないものかも意見が分かれるはずです。

実際、書籍を軽減税率の対象に含めるべきだと出版業界が主張していますが、有害図書もあるので難しいとして、対象にはなっていません。

このような感覚は人によって異なりますし、万人が納得する制度を作ることは困難を極めるでしょう。

店側のレジシステムの対応が大変

スーパーやコンビニ等の小売店には、軽減税率と通常税率の両方の商品が陳列されることになります。そうなると、今まで使っていたレジや受発注システムでは対応できない可能性があり、莫大な導入コストが発生する恐れがあります。

また、従業員への指導が徹底できていない場合、消費税絡みのクレームが多発する可能性もあるでしょう。

本当は軽減税率8%を適用するべきなのに、間違って10%を適用してしまったら、レジの打ち直しが発生して、手間暇もかかってしまいます。

企業の経理部門の業務が複雑化する

消費税の最終的な納税者は企業です。ここでは消費税の詳しい仕組みついては割愛しますが、企業の経理部や会計事務所では日々の取引を元に消費税額の計算をしているのです。

複数の税率が存在するようになると、取引全てについて消費税の税率をチェックする必要性が生じます。業務内容が複雑で高度化することにより、税額計算ミスが増加する恐れもあります。

3-2.国の政策の関連

税収が減った分、追加増税を招く恐れがある

そもそも消費税を10%に増税する理由は、社会保障費(年金、医療、介護など)の財源確保のためでした。しかし、軽減税率を導入することによって、元々予定していた増収分から1兆円規模の不足額が生じることになります。

軽減税率導入によって減収となった財源のうち、約6,000億円については補填する財源の目処が立っていない状態であり、さらなる増税を覚悟する必要があるかもしれません。

低所得者対策としての効果が疑問視されている

経済開発協力機構(OECD)は2014年の会合で、飲食物などの品目に軽減税率を適用することは、「低所得者への支援策として非効率的な手段である」と勧告しました。さらに、「低所得者への支援策としては現金給付が望ましい」という見解も示したため、軽減税率制度の効果を疑問視する声も上がっています。

ロビー活動が活発になる

先ほどの話とも繋がることですが、様々な業界団体が「うちの業界にも軽減税率を適用してくれ」という希望を持っています。

そのためロビー活動が活発化し、政治家と業界団体との癒着が増加するリスクも指摘されています。

税務処理の複雑化によるコストの増加

軽減税率が導入されることによって、税務署の作業は非常に複雑になります。税務署員への研修や人員の増加などが必要になる可能性が高いです。

また、税務システムなども軽減税率に対応したものが必要になるでしょう。これらのコストは全て税金で賄われるため、批判の材料にもなっています。

まとめ

軽減税率導入によって起こりうる混乱や問題をいくつかあげてみました。

実際は、導入されてみないとわからないことも多くあります。

政府も企業も、まだいろいろ模索中のところがありますので、消費者も常に関心を持ち続けていくことが大切でしょう。

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