韓国の消費税と免税手続き方法

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韓国

隣国の韓国では、アジア諸国の先頭を切る形で1970年代に消費税が導入されました。

同国は、日本からの旅行先としても高い人気を保ち、免税店や活気あふれる市場での買い物も大きな魅力です。

旅行前に知っておくと現地で役立つ消費税と即時還付制度について、ご紹介しましょう。

1.韓国の付加価値税制度のなりたち

日本の消費税にあたる韓国の付加価値税(부가 가치세、ブガカチセ)は、1977年、アジア諸国の中で最も早く導入されました。日本では1989年の導入後、段階的に税率アップが行われているのに対し、韓国では一度も税率変更が行われることなく、導入時から今日まで10%のままです。

当初は、付加価値税法で税率を13%と定めたうえ、上下3%の範囲内で変更できる弾力税率制度を採用していましたが、変動の幅が6%と広すぎるとの批判が強く、1988年にこの弾力税率は廃止されました。

韓国が付加価値税を導入した目的の一つは、複雑な間接税制を簡素化することでした。付加価値税の導入に伴い、それまでの13の税のうち8つの税(事業税、商品税、繊維製品税、石油製品税、電気・ガス税、入場税、旅行税、娯楽・食品税)を廃止。一方で、付加価値税の逆進性を緩和するため、高級品や奢侈品に対しては特別個別消費税(後で説明)が新設されました。

2.非課税品目

韓国の付加価値税率は10%と単一であり、軽減税率は存在しません。ほぼ内税で、買物時には特に気にしなくても税込価格で表示されています。

品目に応じて免税制度が導入されており、アジア諸国の中で比較すると寛大、つまり非課税品目が多いのが特徴です。具体的には、未加工の肉類や魚類、米や野菜、医療・保健サービス、教育サービス、金融・保険サービスなどが免税品目として挙げられます。

税率10%下記を除くすべての物品とサービス
非課税品目未加工の肉類や魚類、米や野菜、水道水、練炭・無煙墨炭
医療・保健、教育、金融・保険、旅客輸送サービス
書籍・新聞・雑誌・官報、芸術品、
図書館・科学館・博物館・美術館・動物園・植物園の入場料
土地、不動産の賃貸、専売品、切手・印紙・証紙・宝くじ・公衆電話、
弁護士・会計士・税理士などのサービス、
歌手・俳優・作家・デザイナー・プロスポーツ選手・ダンサーなどのサービス、
宗教・慈善・学術その他公益を目的とする団体によって供給(提供)される財・サービス、

免税か課税対象かをめぐっては、国内で論議を呼ぶことも少なくありません。次のケースは、いずれも韓国の食文化を象徴する事例といえそうです。

2-1.「キムチ」に対する免税

単に持ち運びの便利さのために、一時的に缶に入れたり瓶詰めしたりといった包装をした場合のキムチは免税です。

基礎生活必需品として、安い値段で国民に提供すべき食品と、みなされているからです。
他方、製造施設を有して販売目的により独立した取引単位として缶詰・瓶詰めなどの包装をして提供するキムチは、課税されます。

2-2.「キムチ提供サービス」への課税

上に記したとおり、「キムチ」(「たくあん」「つくだ煮」も同様)自体は、国民生活に不可欠な食品として認められています。
しかし、食品メーカーが国防部(日本の防衛省に相当)から供給されたハクサイ、ダイコン、ニンニク、粉トウガラシ、塩辛類等に、ショウガや塩、砂糖、調味料等を自ら調達して、添加して作ったキムチを国防部に納品したケース(つまりキムチの加工サービス)について、大法院(日本の最高裁に相当)は、免税を認めませんでした。

その他、「蒸したりゆがいたりしたナムル」など、熱を加えて本来の性状が変わる程度に加工したものを、未加工食料品に分類し、免税にできるかどうか論議を呼んだ事例もあります。

3.旅行時のタックスリファンド

タックスリファンドとは、TAX-FREEの表示がある店舗で外国人が1店舗につき30,000ウォン以上の支払いをした場合、空港の税関で申告すると税金が返還される仕組みです。運営会社によって返金率は異なるものの、付加価値税10%に対し、平均6~7%の税金が還付されます。

しかし、繁忙期の空港に押し寄せる外国人旅行客からは、指定のカウンターで税関搬出承認を受けないとならない手間や手続きの面倒さに対して、不満の声があがっていました。また旅行中に伝票をいちいち集めなければならない不便がありました。

3-1.即時還付制度

2016年から、一部の店舗において、「その場で」付加価値税が返金される即時還付制度が開始されました。(日本人の場合、還付を受けられる資格があるのは韓国滞在6ヶ月以内の場合のみ)。流通業界は、このサービス導入で、外国人消費者のショッピングが便利になり、韓国の観光の活性化に役立つことを期待しています。

このシステムは、店頭還付型免税店1店舗での購入金額(課税商品のみ)が30,000ウォン~300,000ウォン未満なら利用でき、1回の訪韓につき上限は100万ウォンと定められています(限度額の残額はレシートに表示されます)。即時還付制度の最大リファンド率は約6%ですが、手続きは会計時にパスポートを提示するだけです。その場で還付分を差し引いた金額が提示されるようになるため、シンプルで使い勝手がよいシステムといえるでしょう。また購入した商品をすぐ開封したり使ってしまっても問題ありません。

ただし注意が必要なのは、TAX FREEマークのある店舗すべてで利用可能ではないことです。この点ではまだ全国的な普及に至っていませんが、利用可能な店舗は大手デパートや大型スーパーを中心に拡大中です。

日本人旅行客の2大目的は「本場の韓国料理が食べたい」、「買い物がしたい」。加えて韓国のアーティストのコンサートやイベントへの参加が旅行目的の11%を占める程に成長しています。消費税の情報を押さえておくことで、現地の滞在がより充実したものになることでしょう。

4.さらに詳しく

4-1.特別個別消費税

高級品や奢侈品に対しては特別個別消費税が設けられています。

税率は、ガソリン150%、カラーテレビや冷蔵庫15%、自動車(サイズにより)10%~25%など。

10%:加工乳・ジュースや香水など

20%:じゅうたん、カメラ、ビデオ、電気製品、250CC以下の自動二輪(国産車、公用車を除く)、1,600cc以下のセダン、ステーションワゴン(ガソリン車)、国産ジープ、コンビ、ミニバス、バンなど

25%:その他のコンビ、ミニバス、バン、ピックアップ(ディーゼル車)など

35%:アルコール飲料、特定のじゅうたん、靴(国産品を除く)、皮革・皮革製品(国産品を除く)、水晶・大理石、宝石・貴金属・真珠・ガラス製品(国産品を除く)、ゴルフ・ダイビング用品、250CC超の自動二輪(国産車、公用車を除く)など

なお、韓国政府の「2019経済政策方向」には、消費・観光を活性化して内需拡大につなげようとする案が盛り込まれました。たとえば、乗用車の個別消費税引き下げ期間は、2019年6月末まで6カ月間さらに延長予定です。この間、新規で乗用車を購入すれば個別消費税が減免(5%→3.5%)されます。

また国内観光活性化案にも積極的です。政府はK-POP祝祭を上・下半期の年2回開催し、「コリアセールフェスタ」のようなセール、大規模な国際会議などを連係することも決定しました。ソウル倉洞(チャンドン)には5000億ウォンを投じてK-POP専用公演会場も建設予定です。

4-2.付加価値税の運営方法

日本の消費税と異なり、韓国の付加価値税はインボイス(税額が明記された請求書)方式で算定されます。具体的には、売上に関するインボイスに記載された税額の合計額から、仕入に関するインボイスに記載された税額の合計額を差し引いて、納税額を計算します。韓国ではインボイスを税金計算書といい、事業者の登録番号、提供価額と付加価値税額、作成年月日などが必要記載事項として挙げられます。中小事業者に対しては課税特例措置が設けられています。

また韓国の付加価値税は、申告の時期についても日本の消費税と異なります。第一期(1月~6月)と第二期(7月~12月)までの課税期間について、それぞれ予定申告、確定申告が必要とされています。

なお2011年以降、法人事業者には電子税金計算書の発行が義務づけられました。電子税金計算書は、各店舗の端末を用いて国税庁のサイト「e-sero」から発行でき、発行した電子税金計算書のデータはすべて国税庁のシステムで管理されます。このため国税庁との連携でデータがガラス張りとなり、透明性の高い仕組みとなっています。

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