契約書や領収書に消費税を明記して印紙税を節税しよう

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収入印紙

一定金額を超えた契約書や領収書などには収入印紙を貼らなければなりません。この処置が「印紙税の納税」になります。

印紙税は、契約書や領収書などに消費税を明記すると節税できることがあります。
印紙税の基本知識と印紙税を節税できる仕組みについて解説します。

2019年10月1日から消費税が8%から10%に上がります。したがって印紙税の節税効果も高まりますので、経営者や経理担当者は、社員だけでなく店舗のアルバイトなどにも領収書などへの「消費税の明記」を徹底してもらいましょう。

1.印紙税とは

不動産売買契約書や不動産売渡証書、金銭借用証書、工事請負契約書、領収書などのことを課税文書といいます。その名のとおり、こうした文書を発行すると納税義務が生じます。その税金の名前が、印紙税です。

1-1.印紙税と収入印紙

印紙税は税務署に直接お金を収めるのではなく、収入印紙を購入し、その収入印紙を契約書などに貼り付け、さらにその収入印紙に消印をする形で納税します。

収入印紙に消印をすると、もうその収入印紙は使えないので、税金を支払った効果が生じるのです。

1-2.印紙税額の一例

印紙税の額は契約書の内容や契約金額によって異なります。
ここでは代表的な印紙税の額を紹介します。

売上代金にかかる金銭の受取書(第17号文書)(いわゆる領収書)

受取金額印紙税額
5万円未満非課税
5万円以上100万円以下200円
(中略) … …
10億円を越えるもの20万円

売買契約書等(第1号文書)

契約金額印紙税額
1万円未満非課税
1万円以上10万円以下200円
(中略) … …
50億円を越えるもの60万円

※印紙税額の軽減については考慮せずに、原則の金額を掲載しています。

請負契約書(第2号文書)

契約金額印紙税額
1万円未満非課税
1万円以上100万円以下200円
(中略) … …
50億円を越えるもの60万円

※印紙税額の軽減については考慮せずに、原則の金額を掲載しています。

預金通帳や貯金通帳など(第8号文書)

1年ごとに200円

【出典】国税庁:印紙税額一覧表

2.なぜ領収書に消費税を明記すると印紙税を節税できるのか

領収書に消費税を明記すると印紙税を節税できる仕組みを紹介します。
先ほど、以下の内容を紹介しました。

  • 売上代金にかかる金銭の受取書(いわゆる領収書)
    5万円以上100万円以下:200円

このときの「5万円以上100万円以下」の金額は、消費税込価格が該当することもありますし、消費税抜価格が該当することもあるのです。

そして領収書に本体価格と消費税額を明記すると、消費税抜の価格で「5万円以上100万円以下」に該当することになります。
消費税込の価格が該当するより節税できます。

より具体的に解説していきます。

2-1.印紙税と消費税の関係

例えば、税込50,000円(税抜45,455円、消費税4,545円)(*消費税10%で計算しています)の売買取引をしたとします。

このとき、領収書に消費税額を明記しないと、印紙税の制度では「50,000円の取引があった」とみなされるので、200円の収入印紙を領収書に貼らなければなりません。

しかし、領収書に消費税額を明記すると「45,455円の取引があった」とみなされるので、非課税となり収入印紙を貼る必要はありません。200円節税できるわけです。

2-2.領収書にどのように消費税額を明記するのか

国税庁は領収書への消費税額の明記の仕方を例示しています。
以下の書き方は消費税額を明記したことになります。

  • ◎ 総額50,000円 税抜価格45,455円、消費税額等4,545円
  • ◎ 税抜価格45,455円、消費税額等4,545円 計50,000円
  • ◎ 総額50,000円のうち消費税額等4,545円
  • ◎ 総額50,000円 税抜価格45,455円

領収書にこのように書けば、「45,455円の取引」として認められ、印紙税は非課税です。

そして以下のような書き方は、消費税額を明記したことになりません。

  • × 総額50,000円(消費税10%を含む)
  • × 総額50,000円(税込)

領収書にこのように書いてしまうと、「50,000円の取引」とみなされるので、印紙税200円が必要になります。

【引用】国税庁:No.7124 消費税等の額が区分記載された契約書等の記載金額

なお、印紙税において、消費税を明記することによって税抜き金額を取引金額とみなすのは、下記の3つの文書だけです。

  • 売上代金にかかる金銭の受取書(第17号文書)(いわゆる領収書)
  • 売買契約書等(第1号文書)
  • 請負契約書(第2号文書)

2-3.軽減税率制度が始まると

軽減税率制度が始まると、「総額50,000円(税込)」のような表記では、消費税が8%なのか10%なのかもわかりません。

印紙税の節税のためだけではなく、税抜きの取引金額を明確にする意味で、
「総額50,000円 税抜価格45,455円、消費税額等4,545円」と明確に記入する必要が出てきます。

まとめ

印紙税は「地味に効いてくる税金」といわれています。収入印紙という「切手のようなもの」を契約書や領収書に貼り付けるだけなので、納税意識が生まれにくいからです。

消費税が10%になると印紙税の節税がさらに大きな効果を生むことになるので、企業の経理担当者は、事務社員やアルバイト員に印紙税の仕組みを教えてあげてください。

そして領収書や契約書には「総額50,000円 税抜価格45,455円、消費税額等4,545円」といったように、しっかりと、総額、税抜価格、消費税額等を記載してください。

経理担当者は契約書や領収書のフォーマットをあらかじめ作っておくと良いでしょう。

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