消費増税対策、マイナンバーカードを利用した自治体ポイントとは?

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マイナンバーカード

政府は2019年10月からの消費増税に向けて、消費の落ち込みを予防する対策を打ち出したり、増税による負担増を軽減する策を講じたりしています。

マイナンバーカード(社会保障と税の共通番号)を利用した自治体ポイント制度(以下、自治体ポイント)も、消費税の増税対策に活用します。消費税増税の対策が必要な期間に、自治体ポイントを加算するのです。

そもそも知名度が低く、一般の人にあまりなじみがない自治体ポイントの仕組みを解説したうえで、どのように消費増税対策に活用していくのかを紹介します。

1.自治体ポイントとは?

自治体ポイントはすでに存在する制度です。クレジットカードや航空会社のマイレージなどを、好みの市町村の自治体ポイントに交換・合算することで、地域の商店街での買い物や地域の特産品購入などに使える仕組みです。また、市町村が独自に自治体ポイントを発行することもあります。

そして自治体ポイントは、マイナンバーカード制度と連動しています。

2.自治体ポイントの準備と利用方法

自治体ポイントを使うには準備が必要です。また自治体ポイントを利用するには「ちょっとしたコツ」が必要です。

(1)マイナンバーカードを取得する

自治体ポイントを使うには、マイナンバーカードを取得する必要があります。すでにすべての人が「マイナンバー」を持っていますが、特別な手続きをしないと「マイナンバーカード」を取得することはできません。

すべての人が持っているカードは紙製の「通知カード」(下記、見本)で、そこにもマイナンバーが記されていますが、これはマイナンバーカードとは別のものです。

マイナンバー 通知カード

マイナンバーカードを取得するには、郵便による申請、パソコンによる申請、スマホによる申請などによって手続きする必要があります。

例えば郵便による申請では、通知カードと一体になっている「個人番号カード交付申請書」を使います。必要事項を記入して顔写真を貼り、それを地元の自治体に郵送すると約1カ月後に交付通知書が届きます。

その交付通知書を市区町村役場などに持ち込むと、顔写真が貼られたマイナンバーカードが交付されます。

マイナンバーカード

(2)マイキーIDを作成する

自治体ポイントを使うにはインターネット上でマイキーIDを作成する必要がありますが、かなり複雑な手続きです

マイキーIDを作成するには、パソコンとICカードリーダライタという装置が必要です。そしてパソコンで以下のURLにアクセスして、マイキーID作成・登録準備ソフトをダウンロードします。

【外部サイト】マイキープラットフォーム

そして、このソフトをインストールのうえ起動させて、必要事項を入力したり、ICカードリーダライタを操作したりして、終了します。

(3)クレジットカードのポイントなどを使う

マイキーIDを作成したら、クレジットカードのポイントや航空会社のマイレージ、電力会社のポイント、携帯会社のポイント、コンビニのポイントなどを自治体ポイントに交換します。

ここでは、ゆうちょ銀行(JPバンク)のポイントを自治体ポイントに交換する方法を紹介します。

まずはパソコンで以下のURLにアクセスします。
https://wwws.jp-bank.japanpost.jp/credit1/service/point/jiti01.html

次に、ゆうちょ銀行のIDとパスワードを入力してログインします。
あとは画面の解説とおりにボタンをクリックしていけば、ゆうちょ銀行のポイント(JPバンクカードポイント)1ポイントにつき、自治体ポイント5ポイントと交換できます。

ただしポイント交換の最低ポイントはJPバンクカードポイント200ポイント以上で、100ポイント単位となります。
1自治体ポイントは1円相当の価値があります。

(4)自治体が独自にポイントを付与する

自治体ポイントは、クレジットカードのポイントなどと交換するだけでなく、自治体が独自に付与することもあります

例えば、神奈川県相模原市は、防災、防犯、交通安全、環境美化といった地域活動をけん引した人に自治体ポイントを与え、さらに、健康増進の目的で歩いた人に歩数に応じた自治体ポイントを提供しています。
三重県津市では、65歳以上の高齢者が積極的に外出をしたら、年間2,000ポイントがもらえます。

では溜まった自治体ポイントは、どのように使うのでしょうか?

3.自治体ポイントの使い方

自治体ポイントは1ポイントにつき1円相当の価値がありますが、すべての買い物に使えるわけではありません。

群馬県前橋市では、JR前橋駅内の物産館「ヴェント前橋」で自治体ポイントを使った買い物ができます。兵庫県南あわじ市では、あわじ島まるごと食の拠点施設「美菜恋来屋」で使えます。
その他の主な自治体ポイント実施自治体と自治体ポイントが使える施設を紹介します。

  • 京都府亀岡市:JR亀岡駅観光案内所物産館「かめまるマート」 など
  • 宮崎県都城市:観音さくらの里のほか、多くの温泉宿泊施設
  • 大阪府泉佐野市:商店街のなかの「泉佐野まち処」
  • 愛媛県松山市:中央商店街(大街道・銀天街・まつちかタウン)で利用できるお買物券と交換できる

4.どのように消費増税対策として活用するのか

マイナンバー・自治体ポイント制度はすでにある仕組みです。政府はこの制度を使って、消費増税対策を打ち出します。

その内容は、2020年4月から2021年4月までの約1年間に限って、自治体ポイントを加算する、というものです。加算にかかる費用は国が負担します。
ただ加算率について、政府はまだ発表していません。

この増税対策のポイントは実施時期です。消費税の増税は2019年10月に行われるので、この対策は増税から6カ月後に始まることになります。

政府は自治体ポイント制度を使った増税対策の他に、キャッシュレス決済のポイント還元やプレミアム付き商品券の発行などを実施します。

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これらは2019年10月から始まります。これらの対策が終ったころに自治体ポイントの加算を行うことで、「手を変え品を変えて」対策を打ち出そうとしているわけです。

ただ自治体ポイントを使った消費増税対策にはいくつか問題点もあります。

5.自治体ポイントの問題点

(1)マイナンバーカード保有者が少ない

自治体ポイントを使った消費増税対策の最大の問題点は、マイナンバーカードの保有者が1割ほどしかいないことです。つまり消費増税対策の恩恵を受けられる人が極端に少ないのです。

政府は、消費増税対策に自治体ポイントを活用する理由のひとつに「マイナンバーカードの普及を一層促進する」としているほどです。
つまり、増税対策が主なのかマイナンバーカードの普及が主なのか、明確ではありません。

また仕組みの手順の複雑さも、自治体ポイントを活用した消費税対策の欠点のひとつです。マイナンバーカードを持っていない人は、マイナンバーカードを取得する手続きをしたうえに、マイキーIDを作成しなければなりません。

そしてマイキーIDは、クラウドという複雑なIT技術を使っています。「よくわからない」という人が多くいても不思議はありません。

(2)対応自治体がわずか5%

まだあります。
自治体ポイントに参加している自治体が少ないのです。2019年5月現在、下記のサイトで紹介されている自治体は100に届きません。日本には1,741の市区町村があるので、5%ほどにすぎません

【外部サイト】自治体ポイントナビ:設定済自治体ポイント一覧

自治体ポイントに「参加していない」自治体には、東京23区、横浜市、大阪市、名古屋市など、いわゆる「超有力自治体」が含まれています。

自治体ポイントに参加している一部の自治体に住んでいる人だけが得をするという制度は、公平性に欠けます。

(3)一部の店でしか使えない

さらに、消費増税対策は、より負担感が大きくなる低所得者層に手厚くすべきですが、マイナンバーカードの取得は所得と連動しているわけではありません。

そして自治体ポイントは、使い勝手がよい制度ではなく、お得感もそれほどありません。それが知名度が上がらない原因と考えられます。

クレジットカードやコンビニなどのポイントは、購入できる商品やサービスに魅力があり現金感覚で使えますが、自治体ポイントは指定した自治体の限られた小売店でしか使えません。わざわざ民間企業のポイントを自治体ポイントに交換するメリットを見出せない人は少なくないでしょう。

自治体の振興策にはつながるかもしれませんが、消費増税対策として実施する以上、消費者目線の使い勝手を追求しないと、なかなか一般消費者の支持は得られないのではないでしょうか。

まとめ

マイナンバーカードによる自治体ポイント制度を活用した消費増税対策を紹介しました。

増税対策に使う税金を地域や地方に「落とす」意味では意義ある施策といえますが、手続きの煩雑さや使い勝手の悪さといった欠点も少なくありません。

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