北欧・スウェーデンでキャッシュレスを体験する旅はいかがですか?

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日本では、10月から消費税が10%に引き上げられます。それに伴い、一定の条件を満たしたキャッシュレス決済で買い物をした場合、2%から5%の還元(ポイントまたはキャッシュバック)を受けられます。

その影響で、連日、メディアでは、「キャッシュレス」の話題が尽きません。現金を使って生活をしていて、特別困ることがない日本で、官民挙げてキャッシュレスブームを推し進めています。その結果、たくさんの新しい決済手段が生まれて、各社は体力勝負のキャンペーンをやっています。

あまりにも多くの情報が氾濫していて、内心げんなりしている皆さん、ここは、スッキリしたキャッシュレスを北欧で体験してみませんか?新しい発見があるかもしれません!

1.キャッシュレスが進んでいる国、遅れている国

先進国の中で、日本はキャッシュレスが遅れている国として世界的に有名です。

ここ数年、外国人旅行者を積極的に受け入れるインバウンド施策が浸透したため、地方でも観光地ではvisaやMastercardなどのカード決済が使えるお店や宿泊施設が増えました。

それでも、FacebookやTwitterなどのSNS上では、「日本に旅行に行くならば、必ず現金を××円くらいは持って行くように!!」という書き込みがされています。

日本と同じくらいキャッシュレスが遅れているのはドイツですが、ドイツは一定額以上の高額決済には現金を使ってはいけないことになっていて、日本とは違い、キャッシュ決済の弊害を防止する措置は日本より考えられていると言えます。

さて、世界の中でキャッシュレスが進んでいる国はどこなのでしょうか?

色々な統計で多少そのランキングは異なりますが、コンセンサスとしては、北欧諸国(スウェーデン、フィンランド、デンマークなど)やエストニア、アジアでは韓国が圧倒的に進んでいると言えます。

中国は一部の大都市では韓国以上に進んでいる側面がありますが、国土が広く自治州などもあるので、中国内で温度差があると言えます。

そして、オーストラリアも挙げられます。

アメリカは意外にもキャッシュレス比率は高くありません。移民国家なので、キャッシュレス決済手段であるクレジットカードやデビットカードを持つことが出来ない人も多くいるからです。

1-1.キャッシュレスが進んでいる国

先に述べたように、キャッシュレスが進んでいる国として取り上げられる常連国には、スウェーデン、フィンランド、韓国、オーストラリア、エストニア、中国などがあります。

この中で、中国においてキャッシュレスが進んだ理由は他の国とは事情がやや異なるので、別の機会に取り上げることにして、他の国々で「何故キャッシュレスが進んだのか」について簡単に説明をしたいと思います。

キャッシュレスが浸透している国は、政府が施策としてキャッシュレスを推進しています。ここでいう施策とは、日本で実施されるポイント還元のようなものではなく、もっと戦略的に壮大なものです。

例えば、韓国ではカード決済をした一定額を確定申告で所得税額を計算する際に、控除項目とすることが出来ます。

エストニアでは、銀行口座に会社のお金の動きをすべて集約することで、税理士を使うことなく会社の法人税申告が出来るほど税体系が簡素化されています。

このように、キャッシュレスが進んでいる国では、国民がキャッシュレス決済をすることで得られるメリットがはっきりしているのです。

1-2.キャッシュレスが遅れている国

そして、キャッシュレスが遅れている国として取り上げられる常連国は、ドイツと日本です。

この2つの国ほど取り上げられることは少ないですが、イタリアでもキャッシュレスが遅れています。そして、東南アジアでは、キャッシュレスが急激に浸透してきているベトナムと比較してミャンマーが挙げられます。

これらの国に共通しているのは、過去に、国家体制が戦争や軍部クーデターなどによって根本から崩れたことがあるという歴史的事実を抱えていることです。

つまり、潜在的か顕在的かの違いがあるとは言えますが、人々の意識の中に、「一番信用できるのは結局キャッシュである」という感覚がどこかに残っている国では、なかなかキャッシュレスが進まないようです。

1-3.日本のキャッシュレス推進策はカオス

このような状況の中で、日本は2020年のオリンピックに照準を合わせて、キャッシュレスを本格的に推進しようとしているようです。けれども、日本のキャッシュレス推進策は、複数の要因が絡み合って、電子決済手段が乱立するカオスとなってしまっています。

経済産業省は、「キャッシュレス・消費者還元事業」の公式サイトを刷新しています(下記参照)。そして、加盟店の位置を表示するデジタル地図を追加して、iOSとAndroidの両方で使えるアプリもリリースしています。

参考記事:国の「キャッシュレスでポイント還元」公式サイト、対象店舗を表示するデジタル地図導入 6000ページ超のPDF廃止

これを見て、恐らく大半の日本人は、内心ゲンナリしているのではないでしょうか?

そこで、ここは気持ちを切り替えて、キャッシュレス先進国である北欧の中でもキャッシュレスのトップを走るスウェーデンを紹介したいと思います。

1-4.ファンタジーな北欧スウェーデンでキャッシュレスを体験しませんか?

世界有数のキャッシュレス先進国であり、旅行客である外国人にもストレスが少ないのが北欧の国々で、その中でもトップを走っているのがスウェーデンです。

スウェーデンの首都ストックホルムは、北のベネチアと言われるほど綺麗な街並みで、中世の面影を残しているファンタジーな観光都市でもあります。

しかしながら、国が主導した決済ネットワークが国中に張り巡らされていて、地方においてもキャッシュレスが浸透しています。

2.スウェーデンのキャッシュレスについて

スウェーデンでキャッシュレスが進んでいるのは、国の徹底した施策によるものです。

その主たる目的として以下の3点を挙げることが出来ます。

  • 税負担の公平化(脱税防止)
  • 防犯対策(強盗や泥棒を少なくする)
  • キャッシュレスによる行政コスト、社会コストの低減

スウェーデンの国土の広さは日本よりやや広い約45万キロ㎡で、人口は約1,000万人です。そのうち約100万人が首都のストックホルムに住んでいます。

従って、ATMを設置して現金を国中に運ぶコストは、人口比で見ると日本の比較にならないほど大きくなります。

また、国土の多くは山地となっていて、スウェーデンではなるべく自然を保護しようという施策を取っています。

ですから、インターネットが社会インフラとなった頃から、国として国民のITリテラシーの向上に努め、インターネット網の普及を進めました。

そして、同様に決済ネットワーク網も早くから整備を進めてきたのです。
(スウェーデンの基本情報については以下のサイトを参照ください)

参考記事:スウェーデンの基本情報

2-1.現金を使わないで過ごせるスウェーデン

スウェーデンは、現在、「現金での支払いお断り」とお店が掲示することを認めている数少ない国です。何故そのようなことが可能なのでしょうか?

スウェーデンはアメリカなどと違って、正規のIDを持っている国民(合法移民も含む)は、銀行口座を開設してデビットカードを発行してもらうことが簡単です。

子供であっても、法律で定められた手続きを親がすることで、銀行口座を持ってデビットカードを取得することが出来るのです。

つまり、スウェーデンに合法的に住むことが出来る人は銀行口座を必ず持っている状況です。

そして、少なくともデビットカードを持ち、銀行口座間の無料送金が可能なSwishを利用することが出来ます。これがキャッシュレスを徹底出来る基盤となっています。

現在、スウェーデンの都市部では95%がキャッシュレス決済となっています。

2-2.こんなのもキャッシュレス!!

95%もキャッシュレス決済されるスウェーデン都市部では、こんなものまでキャッシュレス決済が可能です!

① 公衆トイレ(日本と違い欧州では公衆トイレ(デパートなども含めて)も有料のものが多いです。トイレはなるべくレストランで済ませるようにしましょう)
これは、トイレの入り口のカード決済端末です。磁気カードとICチップカードの両方が使えます。

② ストリートミュージシャンへのチップ
欧州ではキャッシュレス化が進んで、ストリートミュージシャンへのチップをどうするか?ということが問題になりました。

スウェーデンではSwishを使うケースが増えているそうです。また、ロンドンでは、非接触決済ツールを使ったチップ支払いツールが開発されています。
(詳細に関心がある方は下記のサイトをご参照ください)

参考記事:ストリートパフォーマーへのチップも非接触型決済で–ロンドンで実現へ

③ マッサージ機(欧州でも空港には全身マッサージ機が置いてあります)
日本と同じようにコインも使えますが、カードが使えます。非接触決済まで対応しているところが凄いですね。

2-3.ファンタジーなのにキャッシュレスな街ストックホルム

いかがでしょうか?カオスな日本のキャッシュレスと違って、visaかMastercardのカードを持っていれば、現金が本当に要らないのがストックホルムです。

けれども、「ストレスフリーなキャッシュレス決済を体験するためだけにわざわざ遠い北欧まで行くの?」というのが本音かと思いますので、ファンタジーなストックホルムの街並みを少しご紹介させて頂きます。

 

(ストックホルム中央駅を出たところ。重層的な建物が北欧を感じさせます)

(ストックホルムで買い物をするならばこのメインストリートは外せません!)

(ストックホルムは美味しいシーフードが有名です。上品な蟹スープ)

(ストックホルムの観光で絶対に外せないガムラスタン(旧市街)はファンタジーな中世の世界を堪能できます)

2-4.キャッシュレスは空港から始めよう!

ストックホルムの玄関口は、アーランダ国際空港です。現在、日本から直行便が飛んでいませんので、経由便を使うことになります。欧州ではシェンゲン協定に加盟している国々は、最初に入国する国で入国審査を済ませれば、その後は国内線の感覚で周遊することが出来ますのでとても便利です。

アーランダ国際空港は、ストックホルム市内からかなり離れていますが、「アーランダエクスプレス」という特急が走っていますので、市内に出るのもとても便利です。

アーランダエクスプレスの切符を買うのもキャッシュレス決済となります。空港にはセブンイレブンがあり、ミネラルウォーターもキャッシュレスで買うことが出来ますので、ホテルが市内であっても、スウェーデンクローネの現金を持たずにたどり着くことが出来ます。

3.更なる進化を目指す北欧の国々

現在、世界でキャッシュレスが一番進んでいる北欧諸国ですが、更なる進化を模索しています。その推進国は、スウェーデンとフィンランドです。フィンランドは、民族的にエストニアと近いこともあり、エストニアと共同で様々な研究開発を進めています。

3-1.生体決済、マイクロチップ決済の研究

スウェーデンにおいては、手のひらにマイクロチップを埋め込んで、文字通り「手ぶら決済」の実現化に向けて現在実証実験が進められています。

そのマイクロチップの埋め込みをして「手ぶら決済」を実践しているのはまだ5,000人程度であり、実証実験の域を出ませんが、近い将来、本格的な「手ぶら決済」がストックホルムで実現するかもしれません。

なお、マイクロチップ決済はアメリカでも特定地域での実証実験が始まっています。
(下記のサイトをご参照ください)

参考記事:手に埋め込んだチップで決済、スウェーデンで広がる チケットや鍵にも

3-2.ブロックチェーンを使った取組み(フィンランドとスウェーデン)

フィンランドはエストニアとの共同研究開発において、スウェーデンは単独でブロックチェーンを使った新しい決済、送金手段の開発を政府として進めています。

3-3.世界初の法定デジタル通貨はe-クローネか?

そのスウェーデンでは、ブロックチェーン技術を活用して、世界初の法定デジタル通貨であるe-クローネの開発を進めています。

一部では既に実証実験が行われているとの情報がありますので、近い将来、スウェーデンクローネの物理的紙幣や貨幣が珍しいものになる時代が来るかもしれません。
(法定デジタル通貨については、以下のサイトをご参照ください)

3-4.キャッシュレスの光と影

順風満帆でキャッシュレス化が進んでいるように見えるスウェーデンですが、問題が起こっていないわけではありません。

インターネットの普及が始まった時から、IT教育に力を入れてきたスウェーデンですが、やはり、貧困層、移民、高齢者の一部の人々は、銀行口座を作るのが難しかったりすることもあり、また、銀行口座を作ることが出来ても最先端のツールを使いこなすことが難しいという実態があります。

現在、スウェーデンでは、ATMの数が急激に減少しており、また、銀行の支店で現金の取り扱いをしていないところが増えていることもあり、日常生活に支障をきたす情報弱者の国民にどう対処するかが深刻な課題となっているのも事実です。

4.まとめ

世界一のキャッシュレス先進国であるスウェーデンを見て来ましたが、いかがでしたでしょうか?

日本のように、50近くの電子決済手段が乱立することもなく、visaかMastercardのカードを持っていれば、ストレスなくキャッシュレスで生活が出来る日常をイメージして頂けたかと思います。

4-1.キャッシュレスはまず体験してみましょう!!

何度もしつこいようですが、日本の現在のキャッシュレス推進策はカオスです。「20%キャッシュバック」や、「100人に1人無料になりますキャンペーン」などの情報が乱立して、「いかにして得するか?」がキャッシュレスの本質のようになってしまっています。

けれども、世界でキャッシュレスが進んでいる国では、いかにストレスフリーな環境においてキャッシュレスで過ごせるか?そして、キャッシュレスの結果として税体系が公平になるか?が主眼です。

その意味では、本当のキャッシュレス社会の良さを海外で体験してくることをお勧めしたいと思います。

幸いに、今は円高傾向が続いています。皆さんも、是非海外旅行を計画する際には、キャッシュレスの体験という目的を頭の片隅に置いて計画して頂ければと思います。

4-2.(参考)北欧旅行について

ツアーでの海外旅行は、自由時間にも制約があり、キャッシュレスを体験したい人には不向きです。ですから、出来れば個人旅行をお勧めしたいと思います。

北欧は治安が比較的良く、英語も通じますので、個人旅行初心者でも安心して行くことが出来ます。今、この記事を読んで北欧への個人旅行に興味を持たれた方に、参考になるサイトをご紹介したいと思います。

なお、北欧は、5月~6月、9月~11月初旬がお勧めです。

冬は寒くて太陽が出ている時間が短過ぎて思ったように観光が出来ませんし、真夏の7月、8月は、時々北欧まで熱波がやってきますので、冷房がないホテルが多い北欧で夏バテしてしまうリスクがあります。

参考サイト

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